尹住職のお話 
[観音様は男?女?それとも…]

観音様は男?女?それとも…

仏像は主に如来、菩薩、明王、天の4種類に分類されます。なかでも如来は「悟った人」のことを言います。菩薩は「今にも悟れそうなほど修行を積んで仏に近づいている人」を言います。菩薩に一番身近な存在が観音様です。

観音様は男性でも女性でもありません。悟った姿を表しており、人を超えた存在であるためそういう概念があてはまらないのです。

では、なぜ女性のように見えるのでしょう。それは母親のような慈悲を表すためです。人はみな、女である母親から生まれ、抱かれ、育てられます。母親のような愛情に満ちた様子が表現されているのです。

観世音菩薩とも呼ばれるように、観音様は「世」の中のあらゆる「音」を「観」ることができます。人間は都合の良い音しか耳に入らないようです。超音波や超低周波を聞き取れないということもありますが、都合の悪いことを聞かない人は多いですね。

観音様の前で手を合わせてお願いごとをすることがあります。観音様は、言葉にしなくても、心で思ったことをわかってくれます。子どもがお母さんの前で嘘をついても、すぐにばれてしまうように。

■イラスト
河美香(埼玉初中教員)

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